
今まで展示したことのないレアな作品をお披露目しました!
19日(土)、ギャラリートークに合わせて見学に行ってきました。
久しぶりの遠出、気持ちが引き締まります。コロナ感染対をしっかりして猪苗代に向かいました。
平野さんご一家は、コロナをとても恐れているヒラトモさんの気持ちに配慮し、自家用車で移動します。
私は、2時からのギャラリートークに合わせて電車で移動、会場で落ち合うことにしました。
展示を拝見しながら待っていると、遠くからでもわかるヒラトモさんの声が入り口の方から響いてきました。
ん?ちょっとテンション高め?
お父さんのお話によると、この日のために用意していた自作の「震災バッジ」を車を降りた瞬間に水溜りに落としてしまったそうです。
相当なショックだったと思いますが、その気持ちを切り替えることができたのは、自分の作品を展示していただいている美術館に来ている自負心からでしょうか?
「信じればいいよ、自分の気持ちを」とつぶやいていました。

「震災バッジ」とは?
東日本大震災は、ヒラトモさんにとって恐怖心と共に強烈に心に刻まれた出来事だったのだと思います。
大好きな鉄道の線路も津波で壊されてしまいました。破壊は、ヒラトモさんにとって重要なテーマでもあります。
震災後、赤丸に白抜きの東北の地図の上に、「がんばろう日本!がんばろう東北!」と書かれたマークが東北新幹線に掲げられていました。ヒラトモさんは、そのマークをバッジにして土足につけたシーンを度々登場させて東北への思いを表現していたのでした。


今回、ヒラトモ作品を理解する上で重要な作品も展示されています。
自宅の部屋で自撮りした自分の足や土足(靴)の写真を、線路や東京湾などの写真にコラージュした作品です。
純粋に自分の楽しみのために作っていた秘蔵作品なので、今回が初展示です。
あたかも巨人になったヒラトモさんが東京に出現し、イタズラをして楽しんでいるようです。
美保さんもストーリーの中でしばしば巨人になるのは、実がヒラトモさんの願望だったのですね。
美保さんはストーリーの中で旅行したり、美味しいものを食べたり、イタズラをしたり…様々なハプニングに巻き込まれますが、これらも実はヒラトモさん自身がやりたかったことなのです。
ヒラトモさんは映画監督のように、自由自在に様々なストーリーの原型の中で美保さんを駆使し、壮大なストーリーを展開してゆくのです。
もうひとつレアな作品があります。
「美保さん絵かき歌」「土足絵かき歌」です。
ヒラトモさんのユーモアのセンスが光ります。さすが自称エンターテイナー!
基本キュートなヒラトモさんの性格が現れています💛
美保さんLOVEもたっぷり💕

ギャラリートークでは、皆さんの前でいつものヒラトモ節。初めて聞く方にはわかりにくいかもしれませんが、テンポよく話す話ぶりに引き込まれます。
トークも終わり、落ち着いたところで恒例のお土産タイム。
最近展覧会に伺う際は、自作の絵などをお土産に持って行くヒラトモさん。今回は額装までしてグレードアップしました!
なぜか「肉」の写真(ヒラトモさんは肉好き)、汽車の写真、アリスのコスチュームの美保さん、クリストファー・ロビンになった美保さん、それぞれはじまりの美術館のスタッフの方々にプレゼントしてご満悦です。ありがとうの気持ちを伝えることができましたね!


コロナ禍の中、とてもストイックに生活していたヒラトモさん。
久しぶりに皆さんと交流し、羽を伸ばすことができましたね。
美保さんのようにこの災難もあっけらかんと乗り越え、さらに物語の中へ羽ばたいていきましょう。
(朝比奈)
