
(と言っても制作予定数の全てではありません。。)
色は、青・黄・朱・緑・灰の5色。
青=藍、黄=玉葱の皮、朱=インド茜、緑=玉葱の皮×藍、灰=松煙です。
今日は松煙染について紹介します。
松煙とは、脂分を含む松を不完全燃焼させて得た煤(スス)が原料となっています。
書道に使われる墨も同じものが原料で、*膠(にかわ)と練り合わせたものが墨になります。
※この墨を『松煙墨』と言い、菜種・胡麻・桐などの植物油を燃やした煤を使うものを『油煙墨』と言います。
松煙は染料としてよりも、墨として発展してきたのです。
松煙染には、膠で固めていない煤(細か〜〜〜い粉)を使った染色です。
※膠:動物の骨や皮に含まれるゼラチン質状のもので、接着剤として使用。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、実は、松煙は『染料』ではなく『顔料』なのです。
正確に言うと、布や糸が『染まる』のではなく、松煙粉が『付着』している状態。
付着しているだけでは落ちてしまいます。
そこで登場するのが『豆汁(ごじる)』です!
豆汁は、水でふやかした大豆をすり潰して布などで漉した液体。
空気中の炭酸ガスに反応すると水に不溶性になる性質を利用して、固着剤として使用します。
豆汁でコーティングする、と言えば分かり易いでしょうか。
【作業工程】
(1)大豆を一晩水に浸す。
(2)この大豆に水を加えをミキサーで潰す。(すり鉢ならより可)
(3)これを袋で漉し、残った粕に水を加えもう一度漉す。これが豆汁となります。
(4)これに松のスス(松煙)を加え、よく撹拌する。
(5)布を染める場合、引き染めという手法で染色します。(写真)

引き染め
・張手(はりて)で布の両端を挟み、柱や木に結びつけます。
・布がピンと張るように、伸子(しんし)を何本も付けます。
・刷毛に染料(豆汁+松煙)を含ませ、ムラにならないように塗り(染め)ます。
(6)乾いたら布を新聞紙に巻き、蒸し器で1時間蒸す。
(7)最後に水洗いをして余分な松煙を落とし、再び乾かして完成!
以上、松煙のウンチクでした!
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余談ですが・・・
『豆汁って豆乳?』と思われた方、惜しいっっ!
豆乳は茹でた大豆を潰して絞った液体、
豆汁は水でふやかしただけの生の大豆を潰して絞った液体なのです。
『豆汁を搾った後の搾りかすはおから?』と思った方も、惜しいっっ!
お豆腐は茹でた大豆を使うので、おからは火が通っています。
豆汁を作る時に出る搾りかすは火が通っていません、生なんですよー。
でも、この搾りかすで料理した事もあるんです♪
以上、あまりタメにならない?豆知識でした〜